いちぬけた。
もう、人と比べることは、おしまいにしなけりゃいけないよ。
どんなに素晴らしい人がいて、どんなに素晴らしいことをしていても、
あなたがそのことを百も承知していて、
そこまで行かなくちゃ、ダメなんだって自分を追い詰めても
あなたがその人以上になることはできない。
だってあなたは、その人とは全然違うから。
それも、あなたは先刻承知済みなんだと思う
だから、絶望してしまう。
「どんなに頑張ってもああはなれない。」
「分かっているだけ、自分はあいつよりましなんだ。」
そんな風に、自分よりも「下」と設定する人を作っては
自分を慰めてはいないだろうか。
もう人と比べることは、おしまいにしなけりゃいけないよ。
あなたにとって一番素晴らしいことは、
あなたの中に、すでにあるんだよ。
当たり前すぎて、分からないのかもしれないけれど。
例えば、心臓が動いていることと同じくらい、
目が見えたり、耳が聴こえたり、声が出せて
好きなものが食べられるってことが、
当たり前すぎて、有り難さを忘れてしまうのと同じように
あなたにとって当たり前なことが、
本当はものすごく素晴らしいことなんだよ。
誰かになろうとしすぎて、
あなたらしさが見えなくなってしまったら
もったいないよ。
---
昭和はバブルで、成長期で、競争の時代で、
人と比べることが当たり前だった。
でも、まるで無限のトーナメント戦みたいに
頑張って上に行けばいくほど、比較の対象がグレードアップしていく。
極限まで努力をしたのに、誰かと比べて劣っていると感じている。
十分優れているのに、自分に絶望してしまう。
結果としてエネルギーが下がって、パフォーマンスが下がって
経済的に困窮したり、家族とうまくいかなくなったり
病気になってみたりする。
私の大切な仲間たちが、そんな風になっているのを
とても見ていることができない。
人それぞれの学びだし、私がおせっかいを焼くことではないのはわかってる
だからせめて、自分が学んだこと
少しでも伝えていけたらと思う
それが伝わるような演奏ができればなお素晴らしいと思う。