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私と呼吸法(1)


大学4年生。インディアナ大学に夏季留学。

【フルーティストを志願した学生時代】  私はフルーティストを志して 東京芸術大学を3回受験しましたが、失敗。 2浪の末、私立の東京音楽大学に通いました。  そして卒業と同時に、 4度目の挑戦にしてやっと 念願の芸大(大学院)への入学を果たしました。  念願かなっての芸大、 最高の仲間に囲まれ、嬉しくてたまらない毎日。 しかしながら日本全国から天才が集結した 芸大のレベルの高さは 半端ではありませんでした。  私は、ひたすら練習して、練習して、 やっと吹けるようになるタイプでしたが、 同じ曲を演奏をするのでも、 仲間たちは軽々と易々と吹けるのです。  練習だけがその差を埋める方法と信じて、 日々自分を追いつめひたすら練習に励みましたが、 コンクールで結果を出すことも、 またオーディションに合格することもできず 「どうあがいても今一歩及ばない」 自分に絶望の日々を送っていました。 【呼吸法を見直したきっかけ】  そんな中、 ジャズフルーティストとして有名な中川昌三先生との 運命を変える出会いがありました。 先生は最初のレッスンで私の演奏をひとしきり聴くと 「君ね、その吹き方じゃ30(才)までもたないよ。」 腹式呼吸が全くできていないとの、ズバリのご指摘でした。 ロングトーンなら嫌というほど練習してきたし、 軽く30秒は伸ばすことができたので、 呼吸のことなら自信がありました (今思えば、恥ずかしいのですが…) なので、 呼吸が「全くできていない」とは にわかには信じられませんでした。 「腹式呼吸」と対照されるのが「胸式呼吸」です。  胸式呼吸で演奏すると、 コントロールが難しいことはもちろん、 首や肩に力が入りやすく、とても疲れやすく、 体のバランスが崩れやすいのです。  中川先生ご自身、若くしてデビューされ、 音楽活動のさなかで呼吸を修正し、ボロボロだった体調を、 呼吸を学びなおすことによって整え、現在に至ったことなどを伺い、 ともかくも言われるままに「腹式呼吸」に取り組み始めました。 26歳の時です。  ところが、先生に言われるとおり 「胸が下がらないように」「下腹に力を入れて」吹いてみても、 全然できない。 30秒伸ばせた音が、1秒しか伸ばせなくなってしまった。 1か月、2か月と時だけが過ぎていく。  本来ならばプロのフルーティストとしてのステータスを築き上げ、 演奏家として結果をどんどん出していかなくてはいけない時期に、 大変な遠回りをしなくてはならず、焦ってもどうしようもない。  ただ「腹式呼吸をマスターせよ」と言われても、 手も足も出なかったのです。

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